神奈川新町駅 大規模改良でバリアフリー化 京急295億円の設備投資 1000形新造・更新も

京浜急行電鉄は2023年度、鉄道事業で総額295億円の設備投資を実施し、品川駅付近と大師線の連続立体交差事業、神奈川新町駅の大規模改修、車両の新造やホームドアの設置などを進めます。

2023年度は計14両が代替新造される京急1000形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
2023年度は計14両が代替新造される京急1000形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

品川駅地平化、泉岳寺駅はホーム拡幅

新型コロナウイルス感染症拡大が影響し、年間150億円程度にまで抑制されていた京急の設備投資額ですが、2022〜2026年度の5年間は平均265億円にまで投資計画を引き上げます。この原資として、28年ぶりとなる運賃改定の申請が認可されており、2023年10月1日(日)から実施されます。

拠点となる品川駅周辺では、東京都による連続立体交差事業が進行中です。現在は高架の品川駅を地平化するとともに、品川駅のすぐ南側から新馬場駅までの区間を連続して高架化するもので、八ツ山通りなど計3箇所の踏切が除去され、交通渋滞解消が図られます。地平駅となる品川駅は線路が現在より1本多い2面4線となり、東西自由通路の延伸、駅前広場の整備などで利便性が向上します。

泉岳寺駅地区では、オフィスや住宅などが入る大規模複合施設を建設する市街地再開発事業が実施されます。これに合わせ、泉岳寺駅は改良工事によりホーム幅が現在の倍の10mに広がり、コンコースや出入口などは再開発と連携した空間整備が行われます。周辺ではJR東日本グループによる再開発事業「高輪ゲートウェイシティ」も進行中で、利用客の飛躍的な増加が見込まれています。

羽田空港第1・第2ターミナル駅では将来の航空旅客の増加を見据え、現在終点となっている線路を約300m延伸し、列車の入れ替えを行う引上線を建設します。国土交通省と協力して進めている事業で、品川駅の2面4線化と合わせて1時間あたり3本の増発が可能となり、羽田空港アクセスの輸送力がさらに強化されます。

川崎市と進めている大師線連続立体交差事業は、2019年3月に東門前駅付近〜小島新田駅付近の約980mが地下化され、産業道路(東京大師横浜線)など4箇所の踏切が除去されました。今年度は引き続き、地上部の整備工事や、大師橋駅、小島新田駅の駅舎工事などが実施されます。

(京急の2023年度鉄道事業設備投資、ホームドア設置済み・設置予定駅一覧など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】京急の2023年度鉄道事業設備投資、ホームドア設置済み・設置予定駅一覧

既存1000形に「フリースペース」設置

ホームからの転落や列車との接触を防ぐホームドアは、2022年度末まで12駅に設置が完了しています。今後は2024年度にかけて、青物横丁駅、金沢文庫駅など計9駅で設置工事が進められるほか、そのほかの駅でもホームドアやホーム固定柵の設置に向けた調査・設計が行われます。

バリアフリー未対応の神奈川新町駅では大規模改良工事が着手し、エレベータやエスカレーターが新たに設置されます。駅舎と国道15号を接続する歩道橋も整備され、駅周辺からのアクセスも含めて利用しやすい駅に生まれ変わります。そのほか、花月総持寺駅で駅舎耐震補強、黄金町駅でホーム上屋の延伸、汐入駅ではトイレのリニューアル工事が実施されます。

車両面では、1000形14両(8両編成1本、6両編成1本)が新造され、老朽化した車両を代替します。また、既存の1000形16両(8両1編成、4両2編成)の車体更新の際に、ベビーカーや大きなトランクをお持ちの方が利用しやすい「フリースペース」が新設されるほか、固定窓の一部は開閉できるよう、二段下降窓に改造されます。通信機能を持った車内防犯カメラの全車両への整備も進められます。

2019年9月に神奈川新町第1踏切道で発生したトラックとの衝突に伴う列車脱線事故を踏まえ、障害物検知を知らせる信号機と連動し、自動で列車のブレーキを動作させるシステムの導入が一部の踏切で進められます。そのほか、駅業務の遠隔監視化、駅の信号取り扱い業務の自動化、照明設備のLED化など、安全性向上やオペレーション変革、環境負荷低減に向けての設備投資が実施されます。

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(提供:KKday)